名工大 D38 同窓会

名工大 D38 同窓会のホームページは、卒業後50年目の同窓会を記念して作成しました。

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前田・宮口・三山
経済誌「サイロ・エフェクト」を読む

経済誌「サイロ・エフェクト」を読む

朝日新聞を読んでいる方は、毎週土曜日に”Be”という別紙が付いているのをご存知でしょう。2週間ほど前に、下記に添付した書物を書いた女性が載っていましたことを覚えていますか。時々経済ニュースで見るアメリカのフィナンシャル・タイムス紙の編集長だということです。

”Be”紙面では、細かく書いていなかったが、ソニーを例にとり、ソニーは「サイロ」から脱却できなかったので、経営が破局した。とこの著者がとらえたようである。この「サイロ」という表現は、私には、初めて聞く言葉であり、現役を離れて15年、経済誌も読んでいなかったので無知を恥じた。そこで、浦安市図書館にリクエスト出したところ1番目に順番が回ってきた。

読んでみると「サイロ」とはトウモロコシをいれるサイロのことで、西欧の経済人にとっては、経営上、注意をしなければならない現象を一言で表した物のようである。日本語では「たこ壺」と訳してあった。私は、これでもぴんと来なかった。我々では”官僚的”、”専門バカ”、”セクショナリズム”、”独りよがり”等の日本語のほうが判りやすい。ソニー出身の鎌田さんと一度じっくりこの読後感をもとに議論したいと思っています。

著者は、ニューヨーク市、スイスのUSB銀行、ソニーが同類の病気で失敗、組織が150人を上回るとこのサイロ現象で失敗するので、経営が意識してサイロ化を防止して、成功している例をフェースブック、ある都市のアメリカの病院、シカゴの警察署として、説明している。

さて、詳細を書くスペースがないが、ソニーの例では「ウオークマン」という名機を発明しながら、この成功に溺れて、他の名機の開発が遅れたり、名機に成りうるものを発明しながら、横の連絡がなかったので、無駄な人的、資源的投資を行ったとある。特徴的な言葉で「35個のソニー製品に35個の充電器がある。」もうすこし充電器の仕様を絞って投資を節約すべきだった。他にも重複製品があったのではないか。横の連絡をとるべきだったと書いてある。また、「プレイステーション」が名機過ぎて、このグループの独善を崩せなかったのが失敗だったと見ている。

私は、エンジニアリング会社という、縦の専門分野を横断的につなぐプロジェクト組織があるところで育ったので、メーカーの問題点はピンと来なかった。また、TECでは大きなプロジェクトが終わると3-5年おきに人事異動があり、絶えずサイロの破壊があったので、この本の現実性がまだ理解できないでいる。

ただ、最近の大損は、プロジェクの配置(専門性の部署を含む)にマネージメントに正社員を少なく配し、大部分を下請け(しかも外国の下請け)、非正規社員でプロジェクトを組織していることにより、失敗している。これもサイロ化の現象化とも思っている。

(2016/03/13 前田記)

最近パソコンの1台をWindows7からWindows10にバージョンアップしました。今のところプリンターや外付けハードディスク等に不都合がありません。そのうち、旧来のソフトで問題がでるか一つ一つ確認しているところです。

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