名工大 D38 同窓会

名工大 D38 同窓会のホームページは、卒業後50年目の同窓会を記念して作成しました。

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前田・宮口・三山
ブリューゲル、雪中の狩人を観て

ブリューゲル、雪中の狩人を観て

 ウィーンに行けば必ず、美術史美術館を訪れることにしている。何度も同じ絵を鑑賞するが飽きることはない。この美術館には約500点の絵が飾られていると昔どこかで読んだ気がする。ただ、私はクリスチャンではないので聖書に起因する題材については数多くの名画があるようだが、あまり印象には残っていない。もちろんカラヴァッジョの「ロザリオの聖母」という名画は画集などで良く評論されているので覚えているし、皆さんの中にも知っている方は多いでしょう。遠い道を歩いて聖母に会いにきた農夫の汚れた裸足が特徴的な絵である。

この美術館にきてほっとするのがベラスケスの部屋とブリューゲルの部屋である。今日はブリューゲルの絵に対する私の感想を述べる。この部屋には、有名な「バベルの塔」「農民の婚宴」「謝肉祭と四句説の喧騒」がある。今回、初めて、絵画解説イヤーフォンを借りた。これらの説明があるが、ここに取り上げた「雪中の狩人」は何故か取り上げられていなかった。

私は、この絵を観るたびに、雪深い東北のマタギ(狩猟を専業とする狩人)もこんな風であったのだろうかと思いをはせる。ヨーロッパの狩人とはいえ、絵を見ていると親近感がわくのである。また、狩人の絵なのに氷ついた湖でスケートや釣りをする人々を、さりげなく、点描のように描いているのである。まるで、諏訪湖の冬と東北の冬を合作したような錯覚に陥る。彼のさりげなく人間たちの行動を描く気持ちを思うとなんと人情味あふれる画家と感嘆するのである。

西洋の美術館はフラッシュを使わなければ写真許可が出ているので、今回、接写も交えて気に入った絵を撮影してきた。皆さんに、通常、この絵を観て、見過ごしてしまう湖の人間模様も紹介したいと思います。 

2016/10/7 前田記)

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コメント

  • 鈴木直久 より:

     美術愛好家を自認していますので、ブリューゲルを1枚も見ていないことは無念です。ウィーン美術史美術館は彼の作品の最も優れたコレクションを所蔵していますし、それに彼の作品は見て面白いうえに当時の風俗を綿密に描写していますから興味が尽きません。

     前田さんが繰り返し鑑賞されているわけはよく分かります。ブログに示された1枚は最も人気のある1枚でしょう。一見すると視線は手前の狩人と犬たちに引き付けられるでしょうが、見どころは前田さんが拡大図で示された湖面の人々と彼らの動きでしょう。ブリューゲルの魅力は、かなり大きな画面にこのように多くの人たちの興味深い動きを綿密に描写することにあるのでしょう。

     手元にある「世界名画の旅(朝日新聞社)」には同美術館所蔵の「子供の遊び」が紹介されています、男の子168人と女の子78人の合計246人が、86とも91とも数えられる遊びに興じているというから驚くではありませんか。