私たちは、その幼年期ではあるが、あの第2次世界大戦を身をもって体験してきた最後の年代といっても過言ではないでしょう。
戦争というものが如何なるものであるかを、どのように後世に伝えてゆくか、これは大変に大事でありますが、きわめて難しいことでもあります。
そういう時節柄、この終戦70年にあたり、必ず行っておくべきと考えたのは、あのアウシュビッツ強制収容所です。
ポーランド南部のど田舎に忽然と設けられた強制収容所(写真1)で、これが無ければわざわざ来ることはない所でしょう。
全欧州、全世界からやってくるのでしょう、すごい数のバスが駐車していました。
だけど日本人の訪問はきわめて少ない(例えば韓国人は日本人の数倍)ので残念と、案内の人が漏らしていました。
入場は、セキュリテイは厳しいけど、無料(日本の原爆資料館は広島も長崎も有料)。現地の専任案内人と一緒に所内を巡ります、全体で90分くらい。
まず、「働けば自由になる」という標語が掲げられた門(写真2)を入ると、整然と建物が並ぶ(写真3)。その一部が展示スペースとして使用(建物内は原則撮影禁止)され、例えば、種々の資料、写真類のパネル、収容者のメガネ、人毛、鞄、持参品などが大部屋毎にうず高く積まれている。なかでも子供、幼児の靴の山を見せられたときは、一瞬胸が締め付けられ、呼吸ができないくらいショックであった。
よくぞこんな悲惨の極みを、これでもかこれでもかと見せつけられ、最後にはガス室、焼却炉室に至る。
あるレポートには、
「ここ(アウシュビッツ)に来たからこそ分かることがあり、だから皆さんには、一歩踏み込んで考えてほしい」と書かれていました。それ以上に加えるべき言葉はありません。 (山本 信夫 記)
写真1:130万人以上のユダヤ人などが連行された強制収容所
写真2:「働けば自由になる」との標語を掲げた収容所入口
写真3、4:収容所内部
コメントありがとうございます。
ポーランドに入る前日、あの日本のシンドラーと言われた杉原千畝さんのバルト3国リトアニア旧領事館を訪ねましたが、それもかなり感動的で、記念の写真も多くあります。
だけどそんなこと、あんなことを混ぜると、焦点がぼけてしまうので割愛しました。
最近気になってるのは、バルト3国のある国が、「ギリシャより生活水準の低い(GNPが低いことか)我々がなぜギリシャを支援しないといけないのか」と言ってることで、もっともな主張と思いますが。 山本信夫