名工大 D38 同窓会

名工大 D38 同窓会のホームページは、卒業後50年目の同窓会を記念して作成しました。

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前田・宮口・三山
名工大在学時の綱島教授の講義 To Please His Wife (妻を喜ばすために) について、鈴木直久

名工大在学時の綱島教授の講義 To Please His Wife (妻を喜ばすために) について、鈴木直久

毎回のように昔話が多く恐縮です。    鈴木直久
何となくトーマス・ハーディのTo Please His Wife (妻を喜ばすために) を、そして関連して綱島教授のことを思い出したので、少し調べてみたら、次のような文章が見つかりました。

http://www.maiguch.sakura.ne.jp/ALL-FILES/ENGLISH-PAGE/MISCELLANEOUS/html-hardy-to-please-his-wife/to-please-his-wife-E-&-J-intro-20201201-WEB.html

愚生が1957年4月から1961年3月まで學部教育を受けた名古屋工業大学は,第二次世界大戦後,旧制・名古屋工業専門学校を基に教育改革法に基づいて創設された,いわゆる新制度大学のひとつで,當時は教官も施設も未だ満足にほど遠いものでした。退屈な授業の中の例外の一つは,綱島康煕(やすてる)教授の英語の講義であって,彼は自信と情熱を持って,トーマス・ハーディの『妻を喜ばせるために』(1891)について教へ,文章の解釈だけでなく,この偉大作家の経歴と,『ダーバヴィル家のテス』を含む他の作品についても話して下さいました。この作品は高校の教科書に断片的に含まれてゐたサマセット・モームやロバート・ルイス・スティーブンソンなどの他の英語の小説と比較して,非常に難しかったことを覺へてゐます。綱島康煕教授の「トーマス・ハーディとメルストック合唱隊」と題する論文を最近見付けて懐かしく拜讀,ハーディの著作のみならず生涯についても書かれてゐて,60年遅れの復習をさせて頂きまた。
書いた方はわたしたちよりわずか二年先輩ですが、旧仮名遣いで旧漢字が混じっている文章ですから、意外な感じがします。
それはともかくわたしも当時全く同感でした。『妻を喜ばすために』はハーディの短篇作品中最も有名であり、傑作だと思いますから、それが収められている新潮文庫の短編集は現在なお書棚の奥深くにあります。
綱島教授が使用されたテキストには、他に『「憂鬱な軽騎兵』と『呪われた腕』の二篇が収められていたと記憶します。後年それらを含めて多くの短篇を、そして最終的には代表する長編『ダーバヴィル家のテス』も読みました。
また先年読んで感心したモームの代表作の一つ『お菓子とビール』は、無名時代のハーディと当時の妻が主人公のモデルとして取り上げられています。
本題に戻ると、『妻を喜ばすために』は短い作品ですし、大抵の公立図書館のハーディの短篇集のなかにあると思いますので、一読して名工大時代を思い出してみてはいかがでしょうか。(完)

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