名工大 D38 同窓会

名工大 D38 同窓会のホームページは、卒業後50年目の同窓会を記念して作成しました。

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前田・宮口・三山
コロナ禍の “ 呟  き ”、矢 田  明

コロナ禍の “ 呟  き ”、矢 田  明

 新型のコロナが発生したと耳にしたのは確か2019年12月、中国武漢でSARS、MARSにもまさる重篤な新型肺炎が蔓延しつつあるとのことであった。その内容は秘密にされたためにたかが風邪の一種、時間がたてばすぐに収まるよとの受け止めに終始した結果、感染は拡大し今や手の打ちようもなくなって来ている。この約二年間マスク、手洗い、3密防止、酒の提供禁止、不要不急の外出自粛、リモート勤務,人流 抑制等々ストレスの高まりは想像に絶するほどである。つい人に当たり、要らぬ抗争から人の和・輪をも危なくしようとしている。そんなコロナ禍のなかの日頃の鬱憤、不平、不満をまとめて見ました。以下、私の“呟 き” を聞いてください。 

志村けんの死を悼む

 志村けんの死はあまりにも突然の出来事であり驚き以外の何物でもないと思うと同時にコロナウイルスの怖さを知らしめるものであった。大ファンとは言えないまでも国民的英雄である彼に対して陰ながら哀悼の意を捧げたいと思う。

 「バカ殿の大のフアンじゃないけれど志村けんの死悼みて止まぬ」

「“おいコロナ”おまえはなんと憎き奴 殿を殺すは大バカ者ぞ」

 この一件以来、知らず知らずに次の言葉が口からついて出るようになった。

「挨拶は“ご無事でしたかお大事に”コロナウイルス迫り来たれば」

 

感染していないかな?

 感染を防止するための手洗い消毒、マスク着用、3密防止の徹底を行っているといえどもやはり感染が怖い。慢性疾患を有する身としては常時観察が欠かせない。

「ウイルスに罹れば吾はイチコロよ肺の機能の弱きにあれば」

「朝一の水のうまさにほっとするコロナ感染無きを知り得て」

「コロナ禍に今朝の体調確かむる味噌汁の味匂いもよろし」

  幸いにして、味覚、臭覚に異常はなさそうである。今日も頑張ろう。

 

家族との日々

 感染防止のための3密防止、不要不急の外出自粛は親、子、孫であっても守らなければならない。普段なにごともなく会っていたものが会えなくなる寂しさは尋常ではなく、つい「呟き」となって出てしまう。

 「正月は孫に会えると躍る胸夢を砕きしコロナよお前」

「孫等来ず老いふたりでの静かなる普段のままの正月ひと日」

 「久々に孫・子の来しも屋外に五メートル離れ顔見せしのみ」

「感染を気遣う孫は近づかずスマホ使いて元気かと聞く」

 「孫来ない五月連休所在なし自転車駆りて憂さを晴らせり」

 

飲み会

 退職後は人と会う機会がめっきり少なくなったが、旧友、縁あって知り合えた友らとの交わりは老後に楽しみを与えてくれている。このささやかなの楽しみを奪うコロナは憎きものとして我を呟かせる。

 「飲み会の楽しみ奪うコロナ禍よ今日も独りし酒酌みおりぬ」

「久し振りちょっとイッパイどうですか否誘えないコロナ禍なれば」

「何時になるコロナ感染収まりて一杯飲みて騒ぐる時は」

 楽しく飲んで語らえる日が早く来ることを願って止まない。“きっと来る”しばらく静かに待つとしよう。

 

D38会

 D38会は昨年関東地区で開催される予定であったが残念ながらコロナ禍のため延期となった。その代償と言っては失礼だが前田さんの骨折りによりリモート会議(ZOOM)をすることになった。新しい技法による懇親もまた「楽しきものなり」と日頃の鬱憤を晴らしている。なお、私事ですが不要不急の外出自粛につき孫等との接点維持に利用させてもらっており感謝しております。

 「五年来温めて来しクラス会コロナ禍ありて苦渋の延期」

「巣ごもりの八十路の男集まりて慣れぬ手つきでZOOMに挑む」

「ズームへとアクセスすればなんとまあ懐かしき顔皆元気なり」

 

自然を愉しむ

 コロナ禍に関係なく春はやって来る、森の緑も鮮やかである。自然の営みに従うこともまた大事かと思っている。そこでこんな呟きが出てきた。

 

「春ですね気分一新靴を買うこころ晴れ晴れ巣ごもり解きて」

「巣ごもりで濁りし肺の奥底へみどりの空気どんと入れたり」

「梅雨晴れ間コロナ恐怖もなんのそのちょっとそこまでペダル漕ぎたり」

 春の楽しみはなんと言っても花、その美しさに見惚れ、こころを癒してくれる。

されどその楽しみも人出、人の流れがあってこそである。つい「呟き」が出る。

 花咲けどコロナ恐怖に客は来ず桜花びら寂しげに見ゆ」

「桜見は人混み避けて自粛せり小庭にひとり芝桜観る」

「コロナ禍の蔓延なるも菜の花は風に揺られて楽しげにいる」

「医療者に感謝示すや紫陽花の透き通るよに鮮やかなる青」

 

社会生活

コロナウイルスが蔓延すればつい外出をひかえ、巣ごもり生活を送ることになる。

必然的に人との付き合いが疎遠となり、孤立、孤独な生活を余儀なくされてしまう。

人との交わりの楽しさ、大切さを噛みしめている。

 「触れ合って大きく育つ人の輪もコロナ禍ありて思い任せず」

「コロナ禍に新聞チラシ少なくて朝の愉しみ奪われおりぬ」

「新聞にわが名を探す人のいる感染なしと応えやりたし」

「コロナ禍に春の最中の巣ごもりよ断捨離進むゴミ三袋」

 

 外出自粛、巣ごもりが高じてくると運動不足からか食欲不振となって気力まで失せてくる。その解消にと1時間余りの散歩を日課としている。

  私の居住する近辺はまだまだ田畑が多く自然に恵まれている。ある日、散歩中に異様なる風景に出合った。

 「秋晴れの刈田にカラス餌探すしかと保てるソーシャルディスタンス」

 

カラスもコロナが怖いか? 社会的距離をしっかり守っている。「ましてや人間においておや」と言うべきか。見習うべきことなり。

 

コロナ感染の防止はまずはウイルスに近寄らないことである。どんなに注意していても身近にはウヨウヨとしている。こんなことを考えて見てはどうだろうか。

 「窓からのコロナウイルスお断りアマビエ貼りて“不許入室”」

 

安全安心な世の中を

 コロナ禍が一日も早く収束して、安全・安心な世の中になることを願いたい。

そのための国民の社会的義務、責務の遵守は当然のこととして、感染防止のための 政府による科学技術の開発と促進、確固たる政策の立案、実行を切に願いたい。

「安穏に生きる平和のありがたさ許してならじコロナ蔓延」

「孫が来てぱっと明るく賑やかに巣ごもる部屋にバラが咲いたよ」

 

 家庭の平和、家族との楽しき日々、それはあまりにも平凡すぎて当たり前のことと思っていたかも知れない。その有難みを今になってつくづく感じるのは私ばかりではなかろう。早く収束してほしいものである。

皆さんも、心に貯まった鬱憤をパアツと吐き出してみましょう。

 

以下の句を参考に思うところを吟じてください。

     「呟く日 記憶の欠片(かけら)つないでる」

2020 滋賀県芸術文化祭 冠句部門の 特選 として採択されました。)

 (註) 冠句は、上5の詠題(「呟く日」)に対し中7、下5をつけて575とする。

 おわり

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コメント

  • 宮口 より:

    矢田様

    「呟き」いずれも日ごろ感じていることを上手く表現されていて感心しました。
     失礼ながら、矢田さんが川柳のセンスがあり、こんな巧みな句が発表するとは思っていませんでしたので驚きです。
     しかし、D38のZOOM会話で時々会話の主題からそれそうになった時に、タイムリーに指摘されていたことを思い出し、それは日ごろからこのような呟きを作るために人の話を注意深く聞くことに関係しているのではないかと勝手に解釈をしています。

     早くクラス会で一緒に飲めることを願っています。

                  2021年9月2日 宮口 守弘

    • 矢田 明 より:

      早速のコメントありがとうございます。
      ほんのちょっとした愚痴を呟いたに過ぎません。
      どなたでも出来るものですので宮口さんもトライして下さい。
      多少のストレスは解消されることでしょう。
      再会を願っております。