名工大 D38 同窓会

名工大 D38 同窓会のホームページは、卒業後50年目の同窓会を記念して作成しました。

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前田・宮口・三山
画家ヤン・ファン・エイクの先進性について~その2:絵画~ 山本雅晴

画家ヤン・ファン・エイクの先進性について~その2:絵画~ 山本雅晴

前文のみ表示します。以下はPDFファイルでお読みください。 管理人

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1.序論

ヤン・ファン・エイク(1390?~1441)の作品についてのTV放送録画や本などを再見し、過去に美術館で鑑賞した実物を思い出しながら、独断と私見を交えてまとめてみることにした。ヤン・ファン・エイクの絵画作品に触れる前に、この時代背景を多少なりとも理解しておく必要あると思いウィキペディアや世界史図録(山川出版社)で次のような項目を通読した。 ① 14~15世紀のフランスの歴史、② 百年戦争(1337~1453)、③ ブルゴーニュ公国の14~15世紀の歴史と状況、④ ハンザ同盟とブルージュなどの都市の当時の交易、⑤ 百年戦争におけるブルゴーニュ公国フィリップ3世在任時(1419~1467)の対応、⑥ ジャンヌ・ダルク(1412~31)の行動とそのインパクト。

ヤン・ファン・エイクは1425年にブルゴーニュ公国善良公から「侍従にして画家」という拝命を受けている。ブルゴーニュ公国のフィリップ善良公は、ヤン・ファン・エイクには絵画の制作はあまり依頼せず、外交秘密特使の役割が大きかったように思われる。この重圧のためか画家としての作品は少なく夭逝したのかもしれない? その償いのためか善良公は、ファン・エイクの死後妻への弔慰金や娘の修道院入りの持参金を贈っている。ファン・エイクの生涯と絵画作品の概要を表1.に示す。

ファン・エイク私論-2空気遠近法

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コメント

  • 鈴木直久 より:

    ヤン・ファン・エイクという北方ルネサンスの画家について知っているのは名前ぐらいで、それ以上のことは今回山本雅晴さんから紹介されるまで知りませんでした。もっともルーヴル美術館にある宰相二コラ・ロランの聖母子像(1435)とロンドン・ナショナルギャラリーにあるアルニルフィーニ夫妻の肖像(1434)は非常に有名な作品ですからそれぞれの美術館で見た記憶があるような気がしますが、今となっては定かではありません。ワシントン・ナショナル・ギャラリーで受胎告知(1437)を見た記憶がありますが、画家名とは関係なく大天使ガブリエルが着ている衣装の豪華さに感心したのでした。
    しかし、ファン・エイクの名前を決定的にしたのは何といってもヘントの祭壇画でしょう。
    この祭壇画では群衆の中に兄と自分の姿を紛れ込ませていることを面白く思います。それはイタリア・ルネサンスの画家たちが多用した遊び心だと思います。
    彼は絵画表現以外に絵具と技法の改良にも功績があることを知りました。また外交官としても活躍しました。