名工大 D38 同窓会

名工大 D38 同窓会のホームページは、卒業後50年目の同窓会を記念して作成しました。

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前田・宮口・三山
ドルドラ(Drdla)の想い出(Souvenir)、鈴木直久

ドルドラ(Drdla)の想い出(Souvenir)、鈴木直久

独身寮の同期入社の同僚の部屋で聴いたヴァイオリン名曲集のLPのなかに、この曲がありました。不思議に郷愁を覚える旋律でしたが、あまりポピュラーな曲ではないので、その後長い間聴く機会がありませんでした。

 

時は過ぎ何年か前に当地のびわ湖ホールで前橋汀子のリサイタルを聴いて感銘を受けたので、小品集のCDを三枚買いましたが、その三枚目(感傷的なワルツ)にこの曲が収められていて、実に40数年ぶりに聴くことができました。

 

そのCDのライナーノートを宇野功芳(2016年死去)が担当しています。この曲が大好きな彼は、次のように書いています。やや長いので恐縮ですが、見事な紹介ですから引用してみましょう。

 

「僕は彼女の弾くドルドラの「想い出」をどうしても聴きたくて、前橋にもソニーにも三枚目のCDを作ってくれるよう、再三にわたってリクエストしたのだが、今回(1997年)13年ぶりに実現した。その間録音が待ちきれず、彼女のリサイタルが開かれたとき、アンコールにぜひ弾いてくれるよう頼み込んだことがあった。あのときの感動は言葉に尽くせず、客席に坐って熱い涙のこみ上げるのを禁じ得なかったことを思い出す。終演後楽屋を訪ねた僕に彼女はボロボロの楽譜を見せ、「子供のとき以来弾いたことがないので、探すのに大変だったのよ」と語った。それくらい、この曲は最近では演奏されなくなってしまったのだ。

僕はSPのクライスラー以来想い出(Souvenir)が大好きで、今でも復刻版のCDを愛聴しているが、なぜかクライスラー盤以外に名盤がない。(中略)第一ディスク自体が少ないのである。クライスラーのしゃれ切った節まわしは比類がないが、この名人に比肩するヴァイオリニストとして、僕は前橋汀子以外の名前を思い浮かべることができないのだ。」

 

というわけですから、是非彼女の演奏を聴いていただきたいところですが、残念ながらYouTubeに見つけることができず、代わりに他の女性ヴァイオリニストAmelyse A. Arroyoと、宇野が言及している往年の名ヴァイオリニスト、フリッツ・クライスラーの1910年代の同じ曲の演奏をご紹介しますから、是非比較してみてください。

 

https://www.youtube.com/watch?v=uLagTFQ_-w4

https://www.youtube.com/watch?v=CiTEC1uKPZg

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