名工大 D38 同窓会

名工大 D38 同窓会のホームページは、卒業後50年目の同窓会を記念して作成しました。

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前田・宮口・三山
2018年美術館巡りの回想―1、山本 雅晴

2018年美術館巡りの回想―1、山本 雅晴

今年も特定のジャンルや場所を決めずにあちこちの美術館や社寺を百件強巡った。国内の美術展は百花繚乱で西洋美術の内容のある展覧会も多かった。また、ロシアに行きサンクトペテルブルクとモスクワで今まで行っていない美術館や展示品を見ることができロシア美術を多少とも理解できたのは収穫だった。
これらの中から3回に分けてレヴューしてみることにします。

Ⅰ、 ロシア美術館とロシア美術について

1、はじめに
① サンクトペテルブルクでロシア美術の殿堂の一つの「国立ロシア美術館」を初めて訪れ、3時間くらいではあったが、主要展示品を一通り見た。モスクワでは最大のロシア美術の収蔵を誇る「トレチャコフ美術館」を再度訪問し、イコンの見学はそこそこにし、ロシア絵画の主要作品を見学した。
② 折よく国内に二つのロシア絵画の展覧会があり鑑賞することができた。
・東京富士美術館「ロシア絵画の至宝展」(国立ロシア美術館の作品)・展示作品40点のうち20点は本展のホームページに図・説明掲載。
・文化村ザ・ミュージアム「ロマンティック・ロシア展」(トレチャコフ美術館の作品)・主要展示作品は本展覧会のホームページに記載有。
③ 小生は今までにロシアの画家の作品の展覧会は2~3回見たことはあるが、ロシア美術の作品や画家の情報を殆ど持っていなかった。パソコンでこれらの情報を検索する方法を教えてもらい上述の国内の展覧会に記述されている画家の作品やその所蔵場所を調べてみた。これらにより今まで知らなかったことが多少とも分かった。
ロシアの画家・作品・所蔵者がリスト・アップされ、殆どが画像・説明がパブリック・ドメインに開示されていることを初めて知った。日本の国内の国公立・私立美術・博物館ではリスト・アップや画像の開示はあまりなされていない。日本は明らかに情報開示の後進国であることを痛感した。

2、ロシアの画家作品の主要な美術館
① 国立トレチャコフ美術館:当館ガイドブック2006年版とウィキペディア
創立者は織物業などで財を成したパーヴェル・トレチャコフ(1832~1898)が1856年に最初の作品を入手したのが始まりで、蒐集した作品は一般利用に寄贈することを決めていた。才能のある画家の作品を購入することにより育てた。風景画・海洋画(アイヴァゾフスキーら)・肖像画(クラムスコイ、レーピンなど)・移動展覧会派(1870年~、リアリズム・ロシア国民の生活・歴史)・写実画(シーシキンら)・歴史画(ブリューロフら)などを継続して収集した。1892年に兄セルゲイ・トレチャコフからのコレクションを相続し、ロシア画家の作品を1287点と素描・彫刻527点をモスクワ市に寄贈した。1893年8月に美術館は入館無料で一般公開された。また、トレチャコフの遺言によって古代ロシア美術やイコンがコレクションに加えられた。革命後も国立美術館として存続発展した。20世紀美術作品5万点も収蔵され、13万点の世界有数の美術館。
② 国立ロシア美術館:ウィキペディアに記述
サンクトペテルブルクに1895年にロシア皇帝ニコライ二世によってロシア新古典主義建築の傑作であるミハイロフスキー宮殿に開館した。当初は「アレクサンドル3世皇帝記念ロシア美術館」であったが、1917年のロシア革命後「国立ロシア美術館」となった。収蔵品は彫刻・絵画・イコン・小美術品・デッサンなど37万点で世界有数の美術館。
エルミタージュ美術館は有名だが、ロシア美術館も建造物・調度品が宮殿の名に恥じない立派なもので、ロシア美術の大作が豪華な部屋にふさわしく展示されていた。

3、ロシアの主な画家とその主要作品一覧表(1800~1917)
ウィキペディアや美術館・画家のリスト・アップされた情報をまとめた。A-4にむりやり
コピーできようにしたが、細かすぎるのでA-3に拡大すると見やすい。一応18名の著名な画家と主な作品をリスト・アップした。情報ソースの信頼性は不明だが、ロシアの美術館はかなり正確にリスト・アップしていると推察する。(エルミタージュ美術館やプーシキン美術館の西洋近代絵画の調査から)
絵画なのに画像がないと意味がないが、東京富士美術館と文化村ザ・ミュージアムのロシア美術展のホームページで見てください。
・アイヴァゾフスキーの「第九の波濤」「大洪水」の大作、生涯作品6000点、トルコ・スルタンの宮廷画家も務めた。ウフッツイ美術館に肖像画。ターナーに匹敵する海洋画家。
・シーシキンの叙情性に富んだ風景画
・クラムスコイの人物画「見知らぬ女」・・日本での展示は8回目で小生はモスクワ含めて3回目。
・レーピン「裸足のトルストイ」・・トルストイと親交・尊敬し数十枚の人物画。「サトコ」
「クラムスコイの肖像」「A.ルービンシュタインの肖像」、「ヴォルガの舟弾き」は前回来日、

以上                2018-12-19

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コメント

  • 鈴木直久 より:

    (訂正版) 
    クラムスコイの「見知らぬ女」が日本で8回も公開されたとは驚きです。この画題は彼ではなく民衆によって付けられたそうですね。無愛想すぎるからか、40年くらい前に見たころには「忘れえぬ女(ひと)」と呼ばれていました。
    記憶するかぎり関西ではロシア絵画の展覧会がありません。残念です。
    12月20日 鈴木直久

  • 鈴木直久 より:

    クラムスコイの「見知らぬ女」が日本で8回も公開されたとは驚きです。この画題は彼ではなく民衆によって付けられたそうですね。無愛想すぎるからか、40年くらい前に見たころには「忘れえぬ女(ひと)」と呼ばれていました。
    記憶するかぎりロシア絵画の展覧会はありません。残念です。
    12月20日 鈴木直久