1年4ヶ月振りに国内の美術展に出かけてきた。イスラエルとの国交樹立70年を記念して、表題の展覧会が企画された。今までに国内の美術展にイスラエルからの美術作品はほとんど来ていないので初来日の作品が多く、内容も充実していて楽しい時間を過ごすことができた。平日の昼頃でJRも美術館も空いていた。
- コロー(1796~1875)は近代風景画の先駆けとして多数の作品を残し、世界各国の美術館に収蔵されている。何故かルーヴル美術館に130点もある。今回小品ではあるが繊細で静謐な作品6点が展示されていた。
- ドービニー(1817~1878)は風景画家でやや色調は暗いが、戸外での観察を重視しブーダン(1824~98)らとともに次世代の印象派の画家の先導的役割を果たした。アトリエ舟を作りセーヌ河の舟の上で作品を描くこともあった。モネはこれをマネした。横長のハイビジョン型の作品が多い。今回3点展示。
- モネ(1840~1926)はピサロ(1830~1903)、ルノワール(1841~1919)、シスレー(1839~99)らとともに印象派を立上げ絵画の近代化に寄与した。本展示会にはモネの作品は「睡蓮の池」「ジヴェルニーの娘たち(麦藁)」「エトルタ」の3点あり日本初公開である。
- セザンヌ(1839~1906) 初期は陰鬱で一般受けのしない独自の画風の作品で、今回2点展示。その後ピサロの指導を受け、印象派の明るい色調を取り入れた独自の画風を確立した。今回3点の彼らしい優品。
コロー「舟の上の釣り人」1872,43x65cm
ドービニー「花咲くリンゴの木」1862,27x41cm
モネ [エトルタ、アヴァルの崖] 1885,66x92cm
セザンヌ「湾曲した道にある樹」1882,60x73
- ゴーガン(1848~1903) の人格・芸術表現はなかなか小生には理解できないが、一度見ると忘れられない何かがある。今回、初期から晩年にいたる5点の重要な作品も展示されていた。タヒチで描いた「ウパウパ(炎の踊り)」は1987年に東京と愛知県美術館で開催された「ゴーギャン展」にも展示されていて鑑賞した記憶がある。他の4点は初来日と思われる。
- ゴッホ(1853~90) の作品は3点あり、うち2点は2年前の上野の森美術館の展覧会で見た。今回「プロヴァンスの収穫期」が初来日。
ゴーガン「ウパウパ(炎の踊り)」1891,72x92
ゴーガン「犬のいる風景」1903,74x93
ゴッホ「アニエールの公園の入り口」1887,55x67
ゴッホ「プロヴァンスの収穫期」1888,51x60
- ピサロの優品が5点、ルノワールは7点あったがあまり良い作品ではなかった。画像の添付は割愛します。
以上、来日した最近のこの種の美術展としては見ごたえがありよかった!