名工大 D38 同窓会

名工大 D38 同窓会のホームページは、卒業後50年目の同窓会を記念して作成しました。

 管理者     
前田・宮口・三山
10月

メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲、鈴木直久

今年1月13日に投稿しましたメンデルゾーンのヴァイオリン協奏曲を聴き直そうとして添付ししたたURLをクリックしましたら、「動画を再生できません」と表示されました。

しかし、検索し直しますとyoutubeには存在し再生できました。

原因はわたしには理解できませんが、この演奏は素晴らしいものですから、繰り返し再生しようとする人が現れるかもしれません。そこで、投稿原稿に添付したURLを再生できることを今日確認したURLと置き替えていただけないでしょうか。

ただし、急ぐことでは全くありませんので、ついでのときで結構です。

お手数おかけし恐縮ですがよろしくお願いします。

 

 

鈴木直久

奥日光慕情写真、山本信夫

Go To なんとかで、東京除外が解除されたのを機会に奥日光を訪れた。当日、天気は小雨のち曇りであったので主目的の男体山登山は5合目で打ち切り、奥日光観光に転換。当地では処々において大型バスで修学旅行と思われるマスク集団と遭遇。今回の費用は現地クーポンを含め、ほぼ半額ですみ、よって大変心豊かなトラベルとなった。

1 湯の滝

2 竜頭ヶ滝

3 華厳の滝

4 湯ノ湖

5 真っ赤でない淡い紅葉

植物と芸術表現とのかかわり~ざくろ~ 、山本 雅晴

お知らせ

インターネットエクスプローラー Ver11からPDFファイルが表示できない事象が生じています。Google ソフトが使われているタブレットやスマホは、以前の様に表示されています。原因、追究中です。本日、新しいプログラムを追加したら表示できるようになりました。しかし、競合等で何か不都合が起こった場合はご連絡ください。(2020/10/05   管理人)

**************************************************

世界に広く分布し、芸術作品に取り上げられている花や果実の一つに“ざくろ”がある。あまりおなじみではないかもしれないが、昨秋シルクロードの旅で西安の近郊の「兵馬俑坑博物館」を訪ねた時にたまたま“ざくろ”の果実の季節に遭遇したのか、立ち並ぶ多くの露店で果実やジュースを売っていた。また、最近購入した小林頼子女史の「花と果実の美術館」という本の中に40点くらい取り上げられた中にも掲載されていた。しかし、“ざくろ”は果実としての見映えや魅惑的な味はしないし、際立った薬効も認められていないので世界の各地で生産されているが生産量の統計も見当たらないような地味な存在である。

このような日陰者だが“ざくろ”に関し美術・工芸・文学作品について手持ちの資料やPCで多少調べてまとめてみた。

1.“ざくろ“の原産地と伝播:「ウィキペディア」の”ざくろ“を要約

ざくろは「ミソハギ科ザクロ属の落葉小高木、また、その果実の」こと。庭木用などの鑑賞用に栽培されるほか、食用になる。 日本に輸入されて店頭に並ぶのはイラン産やカリフォルニア州産が多く、日本産の果実よりは大きい。原産地は西南アジアや中東といわれているがトルコあるいはイランから北インドのヒマラヤ山地、南ヨーロッパおよびカルタゴなど北アフリカという説などがある。世界各地で栽培されておりトルコから中東にかけて特にポピュラーである。病虫害に強いので栽培しやすいと思われる。

伝播:新王国時代(紀元前1550年頃)にエジプトに伝わり、ギリシャ時代にはヨーロッパに広く伝わった。東方への伝来は3世紀ごろ中国に、日本には923年に中国から伝来したといわれている。

2.“ざくろ”の特徴と人間との関わり

1)鑑賞用:日本では花木として庭木・盆栽など鑑賞用に栽培されることが多い。世界的に見ても熟した果実に多数の赤い種子が入っていることから、子孫繁栄、子宝のシンボルとされる。このことと結び付けて絵画や彫刻の題材とされる。

2)食用:可食部は皮と種子を除いた種衣の部分で生食される。果汁をジュースとしたり清涼飲料水のグレナディンの原料としたり、料理などに用いられる。中東、北インド、メキシコなどでは、果肉の粒を煮込み料理やデザート、料理の飾りつけに用いる。

3)薬用:樹皮・根皮は駆虫薬として用いられている。薬用としてあまり有効性は認められていない。

3.“ざくろ”の芸術・神話・宗教など文化との関わり:別表に主な作品を年代順にまとめて表示

スペインのグラナダという都市は周辺にザクロの木が多くあったからつけられたと「ブリタニカ国際大百科事典」にも書かれている。ここには2007年の4月下旬に訪れたがザクロの木を見たという認識はない。スペイン語でグラナダは「ざくろ」を意味する。市の紋章にも記されている。図②

  • 文学:中国の宋時代の政治家・詩人の王安石(1021~1086)は「万緑叢中紅一点」と詩に詠んだ。この言葉が「紅一点」の由来。漢詩などに詠われているかもしれないが調査してない。
  • 美術:絵画や工芸作品などで“ざくろ”が表現されているものを、分かる範囲で列挙した。古代エジプトやギリシャなど早く伝播した文明国にもっと古い作品があると思われるが調査してない。
    • ポンペイ遺跡のフレスコ画、1世紀頃の静物画のなかに描かれていた。図①
    • 日本の仏像彫刻「謌梨帝母倚像」図④は鎌倉時代(13世紀)。手にざくろを持つ鬼子母神で、西洋の手にザクロザクロを持つ絵画の「聖母子」図⑥との偶然の類似性が指摘されている。ザクロを持つ聖母子の絵画はボッティチェリが有名だが、フィリッポ・リッピが描いた「聖母子と聖アンナの生涯」の聖母子のいきいきとした表情と子が右手の指にもザクロの種衣を持つ繊細な描写が好きである。フィリッポ・リッピは不埒な画僧で美人の修道女に惚れモデルにし描いている。その後駆け落ちし子供をもうけ、それが後の画家フィリッピーノ・リッピである。
    • 陶磁器には表の8aの中国・景徳鎮製の磁器の大皿(15世紀初め)、これを参考にした?イラン製の陶磁器表の8、図⑧がある。表の15、図⑮はいかにも瀟洒な鍋島焼という7寸皿。
    • 表の9,10,11、図⑩にカラヴァッジョの絵画に描かれたざくろである。カラヴァッジョ(1571~1610)はミラノ近辺の出身で、ローマに出てくる前の十代に画家に弟子入りし当時ミラノ周辺で盛んとなっていた静物画を習得した。ローマでの工房にも雇われ得意の静物画も初期作品に披露したものと思われる。絵画の才能が認められ聖堂の大壁画や貴族からの注文が殺到したが、殺人事件まで犯す無頼漢で天才画家はローマを追われ南イタリアやマルタ島を彷徨ってローマに帰る途中に38歳で病死した。ざくろの赤い実はいかにもカラヴァッジョ的で、ザクロから派生した「Grenade/榴弾」はあたかも自爆したカラヴァジョの人生の象徴のようである。
    • ガブリエル・ロセッティの表の17、図⑰の「プロセピナ」はローマ神話のザクロは復活の象徴である。表の14も説明省略。詳細はウィキペディアの“ざくろ”、小林頼子著「花と果実の美術館」に記載
    • ポール・セザンヌの「ザクロと洋梨のあるショウガ壺」表の18、図⑱。
    • 工芸品の柘榴を模した瑪瑙製の工芸品、図⑯はいかにも中国らしい吉祥果を表している。

最後に示した写真はざくろの果樹園とグラナダの街路樹である。

 

以  上